片眼の猿を読んで
こんにちは!
だいすけです
今日は推理作家の道尾秀介さんの2007年に初版発行された「片眼の猿」One-eyed monkey
目次
1.作者:道尾秀介について
2.本書の概要
3.まとめ
1.作者:道尾秀介について
書籍背表紙から引用
1975年、東京生まれ。2004年『背の眼』でホラーサスペンス対象を受賞し、デビュー。'07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞、'09年『カラスの親指』で日本推理作品協会賞を受賞。
2.本書の概要
書籍の裏表紙から引用
盗聴専門の探偵、それが俺の職業だ。目下の仕事は産業スパイを洗い出すこと。楽器メーカーからの依頼でライバル社の調査を続けるうちに、冬絵の存在を知った。同業者だった彼女をスカウトし、チームプレイで確信に迫ろうとしていた矢先に殺人事件が起きる。俺たちは否応なしに、その渦中に巻き込まれていった。謎、そして・・・。ソウルと技巧が絶妙なハーモニーを奏でる長編ミステリ。
物語の始まり
主人公は屋上からライバル社の会話を盗聴。
男2人組が通勤時の会話をしていた。
サングラスをかけた女性の話で、突然
『あっ、落ちる』と言ったんだと。
それは韓国の航空機が阿蘇山に突っ込んだのと同時刻だった。
サングラスをかけている若い女は何百キロ離れた阿蘇山を見ていた。
探偵仲間を探していた主人公は彼女を雇うために彼女の身辺調査を始める。
彼女は大手探偵事務所に務めていた元探偵。
スカウトに成功した主人公は、2人で協力してライバル社の事務所に侵入し、探偵業務を進めていく。
登場人物
三梨 :主人公 盗聴専門の探偵事務所を経営、自分の耳にコンプレックスを持ち大きなヘッドフォンでいつも耳を隠している。
冬絵:四菱エージェンシーの元探偵、自分の目にコンプレックスを持ち、いつもサングラスで目を隠している。
ローズフラットの住人:(野原の爺さん、まき子婆さん、トウミ、マイミ、帆坂くん、トウヘイ)各々、身体的な障害を持つ
秋絵: 7年前、三梨と東京で生活していたが、山の中で髪を切り運動服姿で首を吊り自殺をした。写真が三梨の財布の中にある。
殺人事件
三梨1人で屋上から夜22時頃屋上で盗聴していた時、ライバル社の部長が何者かに刺される一部始終を目撃ならぬ耳撃。
タバタと名乗る女性が電話をかけてきたあと、ヒールの音がして、倒れる音。
三梨はタバタを追い始める。
しかし警察は奇妙な男がいるという情報から犯行は男として捜査を開始。
三梨の行動
三梨は四菱エージェンシーにタバタという探偵がいるか確認電話をする。探偵の依頼を装って。
しかし、「特別な部署に移動して今はいない」との返事が。
警察との違う論点。
次第にタバタ=冬絵の相関が見えてくる。
冬絵の過去
三梨が冬絵に
「人を殺したことがあるか?」と聞いたところ
「直接では無い」との返事が。
昔、プロデューサーの妻から愛人の調査り受けたことがあった。
務めていた四菱エージェンシーという探偵事務所のやり方はクライアントから調査を依頼されると、調査をし証拠を集めるとクライアントに調査結果をまとめるのでなく、調査した人に証拠をみせ恐喝して金を巻き上げるという手法だった。
愛人調査をした時もプロデューサーに証拠をみせ恐喝していた。その時その愛人が山の中で首吊り自殺をしていた。
繋がっていく話
- タバタという女性。
- 山の中で首吊り自殺をする女性
と言う共通点に不信を抱く三梨。
7年前に暮らしていた秋絵の存在。
ライバル社の部長を殺した犯人とは。
片眼の猿のタイトルの意味とは。
3.まとめ
ミステリー小説。
最後にフラグをすべて回収していく気持ちよさ。離れた点と点がひとつの線につながっていく素晴らしい1冊。350ページとありますが、とてもすぐ読める1冊。
また、登場人物が身体的な障害を乗り越える描写の多い作品。
私が気に入ったワンフレーズ
「きみは何故、あの連中が、強く生きられるんだと思う?」
「気にしないからさ。俺も、あの連中も、自分の体のことなんて何も気にしていないんだ。」
そう、気にしなければいい。
コンビニ人間でもそのような事を書いています
そして最後にタイトルについてちょっと見せ。
片眼の猿とは?
作中から引用
ヨーロッパの民話だよ。昔、九百九十九匹の猿の国があった。その国の猿たちは、すべて片眼だった。顔に左目しかなかったのだ。ところがある日その国に、たった1匹だけ、両目の猿が産まれた。その猿は、国中の仲間にあざけられ、笑われた。思い悩んだ末、とうとうその猿は自分の右目をつぶし、ほかの猿たちと同化した_____。
猿がつぶした右眼は、なんだったと思う?
_____そいつの自尊心だったんじゃないかって。
どうも最後までありがとうございました。
だいすけでした。